2023年8月、息子と一緒に参加した、菅田集学校(旧 菅田小学校)内の図書室(いっぷく図書図鑑センター)が主催の、オオサンショウウオを探すイベントで、ここ菅田川で県内初の、チュウゴクオオサンショウウオと日本個有種オオサンショウウオとの交雑個体が発見されました!
幼少時代からの遊び場、私が自然に触れ合う原点となった場所でもある、岐阜県下呂市金山町に流れる菅田川。
今でも息子達の自然の遊び場です!
山々に囲まれ、自然の美しさと様々な生き物が生息していて魅力的な場所です。
特に、魅力的な特徴の一つは、オオサンショウウオが生息していることです。
川の流れはとても澄んでいて、清らかな水がオオサンショウウオや他の多くの生物にとって理想的な環境です。
オオサンショウウオは、絶滅危惧種にも指定されており、菅田川はその貴重な生息地の一つとして保護されています。
オオサンショウウオが見られることは、この地域の自然が非常に良い状態である証拠ですね!
自然環境を守るために、地元の人や高校生(自然科学部)たちが環境保護活動にも力を入れており、その大切さを伝えています。
この記事では、菅田川に生息するオオサンショウウオと、交雑種が発見されたことで日本個有種を守っていくために生態調査を続けられている高校生たちの活動と、その調査に実際に子どもたちと一緒に参加した様子について書きたいと思います。
1.オオサンショウウオ調査と勉強会に参加☆
特別天然記念物のオオサンショウウオ。手を触れたり、捕獲することは法律で禁止されています。
今回、特別に国の許可(環境省)がおりて、勉強会が開催されるということで、こんな貴重な体験はなかなかできることではないので、参加できてよかったです。
普段から菅田川で川遊び中にオオサンショウウオを目撃したことは何度かあります!でも、触れることはできなかったので貴重な体験ができました!
1-1 菅田集学校 いっぷく図書図鑑センターについて
菅田集学校(すがたしゅうがっこう)は、2021年3月に閉校した 旧 下呂市立菅田小学校が廃校活用プロジェクトによって2022年12月に再出発し、地域住民のコミュニティの場所として『憩いの場』になっています。
☆菅田集学校について詳しいブログ記事はコチラ
旧・図書室は、地域住民らが運営する、『いっぷく図書図鑑センター』となっています。
たくさんの本や図鑑や紙芝居など、当時の小学校の図書室にあったものがそのまま残されている為、本の数や種類も豊富で、いつも子どもたちも好きな本を自由に読んでいます。
菅田川に隣接している為、菅田の自然豊かな環境を生かし、生き物にちなんだイベントも定期的に開催されています。
『いっぷく図書図鑑センター』を運営する地域住民の一人として、父親が活動していることもあって、息子たちもいい環境で学ぶ機会が持てています。
各社 新聞にも掲載されました!新聞掲載記事はコチラ→岐阜新聞、中日新聞
1-2 図書室でオオサンショウウオの勉強会
菅田川へオオサンショウウオ探しに出発する前に、図書室で大垣北高校 自然科学部オオサンショウウオ班の生徒さんたちが、オオサンショウウオについての説明や、生態や特徴などをクイズにしたりして楽しく勉強会をしてくれました。
1-3 オオサンショウウオの特徴
勉強会で学んだオオサンショウウオの特徴・生態についてまとめてみました。
・両生類有尾目オオサンショウウオ科オオサンショウウオ属に属する有尾類。 ・水中で生活しているが、大人は肺呼吸と皮膚呼吸をする。幼生時はエラ呼吸。 ・約20分に1回ほどのタイミングで水中から鼻だけを出して空気を取り込んでいる。 ・夜行性で日中のオオサンショウウオは暗がりでじっと息を潜めて休んでいる。 ・前あしと後あしで指の数が違う。前あしは4本、後あしは5本。 ・指のおかげで岩の上や川の流れの中でも、しっかりとふんばって進むことができる。 ・日本の固有種で世界最大の両生類。 ・絶滅の危機に瀕していることから国の特別天然記念物に指定されている。 ・体の模様は個体によってすべて違うため、同じ模様を持つ個体は存在しないと考えられている。 ・肉食性で口に入るものはなんでも食べる。 ・体の表面はネバネバぬるぬるしており、ぬめりが山椒のようなニオイがすることからオオサンショウウオという名前の由来がある。 |
1-4 小学校下の菅田川でオオサンショウウオ探し
いよいよ出発です!実際に川に行ってオオサンショウウオを探しに行きます!
オオサンショウウオが生息する菅田川は、菅田集学校(旧 菅田小学校)のすぐ下を流れています。
勉強会のお話でもあったように、オオサンショウウオは夜行性なので、昼間はひっそりとしているということで、草の下や大きな石の下あたりを探してみました。
夢中で探す子供たち。
2.オオサンショウウオ発見!生態調査☆
ついに発見しました!!三匹もいました!!!
いつも川遊び中に発見しても触ることができないけれど(法律で禁止されているので)、今回は国の許可を得てのイベントなので、触ることができました。
大垣市立北高校 自然科学部 オオサンショウウオ班の先生と生徒さんたちが調査記録を取りながら説明してくれました。
生態調査の個体識別をするために、オオサンショウウオの体内にマイクロチップを装着します。
その前に、この個体が調査済みの個体であればすでにマイクロチップが入っているはずなので、一度マイクロチップが装着しているかどうかバーコード読み取り機のような機械で確認していました。
この個体は、読み取り機械に反応しなかったので、マイクロチップがはいっていない、まだ調査されたことがない個体でした。
注射器でオオサンショウウオの皮膚内にマイクロチップを挿入します。
体長や体重を測定したり、体のあらゆる部位の測定をして記録していきます。
オオサンショウウオをじっくり見るのは貴重でした!裏側もこんな風になっているんですね!
2-1 県内初!交雑種の発見! チュウゴクオオサンショウウオについて
この時(2023年8月)に見つかったオオサンショウウオが、後の遺伝子検査で、岐阜県内初の、チュウゴクオオサンショウウオと日本個有種オオサンショウウオとの交雑個体であることが判明されました!!
環境省によると、『チュウゴクオオサンショウウオ及び交雑種は、2024年7月1日から特定外来生物に指定された。日本のオオサンショウウオに似ているが、体にイボ状の突起がそれほど発達しないこと、そのため比較的、目の位置がわかりやすいこと、体側にヒダ状の隆起が発達しないこと、やや明瞭な暗色斑があることなどで区別ができる。 しかし、交雑が進むにつれ外見での判別は難しくなる。遺伝子検査では、確実に判別できる。チュウゴクオオサンショウウオ及び交雑個体は、日本オオサンショウウオより活発かつ攻撃的であり、繁殖場所を独占し、日本オオサンショウウオを駆逐しているとされている。』とあります。
歴史に残るすごい発見に息子たちと一緒に立ち会えました!でも日本個有種のオオサンショウウオをどうやって守くいくかが課題ですね。
2-2 日本個有種オオサンショウウオがピンチ
環境省によると、『チュウゴクオオサンショウウオは全国の複数箇所に定着しており、日本固有種かつ特別天然記念物であるオオサンショウウオとの間に交雑が生じることにより、オオサンショウウオの保全に影響を及ぼす。チュウゴクオオサンショウウオは、寿命が長く、一度定着し交雑が起きると排除が難しい。また、その子孫も繁殖能力を有するため、その遺伝的かく乱の影響は大きく、長期的に継続する。』とあります。
外来種は50年以上前に食用として輸入され、逃げ出すなどして広がり、固有種との交雑が起きたという内容記事もありました。
日本にもともといる個有種のオオサンショウウオがどんどん交雑種になっていってしまったら、菅田川の生態系が変わってしまいます。
2-3 環境大臣賞受賞!大垣北高校 自然科学部 オオサンショウウオ班
大垣北高校 自然科学部オオサンショウウオ班の皆さんが、令和24年度の「全国野生生物保護活動発表大会」(環境省など主催)で最高の環境大臣賞に輝きました。
息子たちと参加したオオサンショウウオ勉強会の当時の様子と、交雑個体の発見についても新聞記事に掲載されています。→環境大臣賞受賞についての岐阜新聞記事はコチラ
この時(2023年8月)からその後も調査を進め、菅田川一帯で交雑種が繁殖を重ねている現状を明らかにしたり、岐阜のオオサンショウウウオの保護、国産個体の生息地を取り戻す活動を今後も継続されていかれるそうです。
調査の様子を近隣の方や報道陣も見学にきています。
すばらしい探求心ですね。息子たちもオオサンショウウオに触らせてもらいました。
オオサンショウウオの体の表面は、ヌルヌルぬめりがあり、そのぬめりのニオイが山椒に似ていることからサンショウウオの名前の由来があることも教えてもらいました。
2-4 世界淡水魚水族館アクアトト・ギフに菅田川のオオサンショウウオ展示
世界淡水魚水族館アクアトト・ギフでは、チュウゴクオオサンショウウオとの交雑個体が発見されたことで、岐阜のオオサンショウウオがおかれている状況を周知してもらいたいとのことで、菅田川のオオサンショウウオが特別展示されました。
3.まとめ
私自身、幼少期から現在も息子たちと一緒にこの菅田川の自然の豊かさを感じています。川遊び中にたびたび遭遇するオオサンショウウオ。当たり前に菅田川に昔も今も生息していて、とても身近な存在です。
今回、菅田集学校(旧 菅田小学校)内の図書室(いっぷく図書図鑑センター)が主催の、オオサンショウウオを探すイベントに参加して、貴重な体験ができて、菅田川の生態系について考えさせられるいいきっかけとなりました。
長男が、夏休みの自由研究で菅田川の生き物調べをし、オオサンショウウオについてもまとめました。
菅田集学校(旧 菅田小学校)内の図書室(いっぷく図書図鑑センター)に、自由研究のファイルと、息子たちが工作した菅田川の生き物や、クイズなども掲示してあります。
菅田川の自然環境のおかげで、生き物好きな息子たちにとっていい経験をさせてあげられることをうれしく思います。
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